マンション管理に関する法律トラブル相談室その他


理事長の管理組合費の不正使用について

私が住んでいるマンションでは、理事長による管理組合費の使い込みがうわさになっています。あくまでもうわさなので、事実を確認したいのですが、どうすればいいでしょうか。

 管理組合費の不正使用を確認するには、会計帳簿などを調査する必要があります。会計帳簿の確認作業は、他の理事や監事に依頼することが可能です。特に監事は、理事会運営の適正を監査し、組合員に報告する権限と義務があります。
 仮に理事長による管理組合費の不正使用が判明したときは、理事長に弁済を求め、これに応じない場合には、訴訟にて不法行為による損害賠償請求を行う必要も出てきます。さらに、管理組合費の不正使用は横領罪にも当たるため、刑事告訴することも可能です。
 また、不正が行われた期間に理事を務めていた組合員も、場合によっては責任を負うことがあります。理事は管理組合と委任契約があり、管理組合に対して善管注意義務があります。理事長による管理組合費の不正使用を知りながら見て見ぬふりをすれば、重大な義務違反として責任を問われる可能性は充分にありうるでしょう。
 管理組合費は日常の営繕や大規模修繕工事等に必要で、快適な住環境の整備を行いマンションの資産価値を維持していく上で非常に大切なものです。各々が自覚をもって、適正な運営に努めることが重要です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2011年9月掲載

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