理事長です。将来の修繕に備え、積立金が不足しているため、積立金の増額を検討しています。しかし、管理規約の条文内で「修繕積立金は専有面積×二〇円(一〇〇円未満切捨て)とする」と記載されているため、積立金の改定は、規約の変更にあたり、特別決議となるのでしょうか。
管理費や修繕積立金(以下「管理費等」という)の額は、管理規約に記載されず、管理費等の額は別に内訳などとともに表示されるのが一般的です。その理由は、必要とされる管理費等が不足する場合も想定され、あわてて一時金を徴収しなければならないように、適正に管理費等の額を改定できるようにするためです。
本問のように、管理規約の規定の中で、修繕積立金の額が「専有面積×二〇円」と規定されている場合は、その趣旨は、当初の単価を区分所有者全員に周知、確認してもらうということであり「専有面積」に応じて負担するとの規定を変更するのではなく、この単価だけを改定するためには、規約に特段の定めがない限り、普通決議でできると考えられます。管理費についても同様の考え方です。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2006年8月掲載