マンション管理に関する法律トラブル相談室マンションの基本的事項


敷地の分離処分は可能か

 この度、市より、道路拡張工事のためにマンションの敷地の一部を売却してほしいとの申し入れがありました。
 理事会として方針を検討中ですが、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

以下の3段階の手続きが必要です。
①まず、分離処分する部分とマンションの敷地として残る部分の土地を分割する旨を登記しなければなりません(これを土地の分筆といいます)。
②次に、管理規約を変更します。
 規約にはマンションの敷地に関する記述がありますが、敷地の一部を分離処分するのですから、敷地面積、図面などが変更となります。
 その際、容積率、建蔽率が減少する場合があるので、将来の建替え時に影響を与える可能性を確認しなければなりません。
 規約の変更には、集会における区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要です。
③最後に、市への敷地の売却について、区分所有者全員の書面による合意をとりつけなければなりません。
 マンションの敷地は、区分所有者全員の共同の所有物として扱われていますので、今回、分離処分する敷地についても区分所有者全員が所有権を有しています(これを共有といいます)。したがって、不動産売却の契約のためには、民法第251条により共有者全員の承諾が必要でしょう。
 なお、売却時の利益は、通常、各々の持分に応じて区分所有者に還元されます。将来の大規模修繕の資金に不安があれば、これをすべて修繕積立金(一時金)に充当することも検討されてはいかがでしょうか。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

1997年6月掲載(2025年2月更新)

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