理事長をしています。当マンションでは賃貸化が進み、組合活動において居住所有者の負担が大きく、非居住の所有者との不公平感が増しています。よい対策はないでしょうか。
マンションに居住する所有者と非居住の所有者の不公平を是正する方法の一つとして、非居住者に対して住民活動の協力金を徴収する方法があります。
築年数を重ねたマンションでは高齢化や賃貸化が進み、役員の成り手がなく組合運営に支障を来しているところも少なくありません。その結果、役員に就任された方と就任を免除された方の間には、組合員としての活動に従事する方と利益のみを享受する方との不公平が生じてきます。そこで両者の不公平を是正するため非居住の区分所有者に対し、金銭的な負担を求めるというわけです。この方法の必要性や合理性については適法とされています(最高裁判例 平成二二年一月二六日)。
ところで、築年数を重ねたマンションでは、大規模修繕工事への対応や住民の高齢化対策など、年々課題が増えていく一方です。単に金銭的負担を求めるのではなく、マンション管理の重要性と組合運営への参加やその理解を求めることが何よりも必要であり、仮に金銭的な負担を求めるにしても、徴収した金銭の使用目的を明確に示したうえで、非居住の所有者の理解を得ながら組合活動のあり方を検討されることが最も適正なことと考えます。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2010年2月掲載