マンションの屋上から雨漏りするため、防水工事をすること、及び全戸から当該工事費用を一時金として徴収するという議案の承認を得るため総会を招集しましたが、定足数に満たず総会が成立しませんでした。工事を行うことはできないのでしょうか。
総会が定足数に満たず不成立であったということですが、総会で否決された訳ではありませんので、再度総会を招集するべきでしょう。なるべく多くの組合員が出席できる日時に開催し、出席できない組合員にも書面による議決権行使をしてもらうよう呼びかけるなどの努力をするべきです。
それでも定足数に達する見込みの無い場合や工事が緊急を要する場合はどうすればよいでしょうか。民法及び区分所有法には建物の共用部分のような共有物の保存行為はそれぞれの共有者が行うことができると定められています。保存行為とは財産の価格を現状において維持するための手入れ、修繕などの行為です。
本問のケースでの防水工事は共有物の保存行為に該当すると考えられますので、総会がどうしても成立しない時は理事会の判断で工事を実施することが可能です。また、そうした場合の費用負担ですが、区分所有法の定めにより各区分所有者の共有持分に応じて負担することとなります(規約で管理費の負担割合について別段の定めがあればその割合によります)。
よって総会で決議されなくても、発生した工事代金を各区分所有者は支払わなければなりません。しかし、よほどのことが無い限り、総会を開催して承認を得るのが最良の方法ですから、全組合員に総会の出席を呼びかけ、総会を開催するべく努力する必要があるでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1996年1月掲載
マンション管理、ビル・施設管理、
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