法律トラブル相談集

管理業務の委託

預金口座の名義変更について
 新しい理事長が選任されたことに伴い、管理会社から管理組合の口座の名義変更を行うよう指示を受けたのですが、なぜ理事長が替わると名義変更をしないといけないのでしょうか。もし組合側で理事長が変更しても名義変更をしなくてもよいような取り決めをすれば、名義変更をしなくてもよいのでしょうか。

answer

 管理組合は、区分所有者から管理費や修繕積立金などを徴収したり、各種費用を支払う業務を行うため、銀行をはじめとする金融機関に預金口座を開設しています。
 この預金口座について、区分所有法では理事長(管理者)が替わる度に口座の名義変更をしなくてはならないという記述はありませんが、マンション管理適正化法の省令第八七条に、「マンション管理業者が受託契約を締結した管理組合、又は管理者等を名義人とする口座において預貯金を管理する」ことが記載されています。本来同法は、管理会社のみを規制する法律ですから、このことから、直ちに組合内において理事長(管理者)以外の名義は認められないということはできませんが、特段の事情がなければ理事長名義が原則であることを想定していると解釈することができます。
 そうすると、理事長が交替すれば、当然前理事長はもはや理事長では無いわけですから、名義変更がなされることが必要となります。
 また実際に金融機関での取引について考えると、平成一五年一月六日から施行された『金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律』(以下、本人確認法)に注意する必要があります。
 この法律は、マネーロンダリングなどを防止することを主な目的としており、一定金額以上(二〇〇万円を超える現金送金)の単発取引時、あるいは解約時などに必ず金融機関が公的証明書により、顧客の本人特定事項を確認することになっています。
 この法律によって、例えば突発的な修繕に二〇〇万円を超える修繕費が必要になった場合、名義人の公的証明書が必要となります。しかしその際に口座の名義が以前の理事長であり、かつその名義人が既に転居されているとすると、本人確認の為に必要となる公的証明書を準備するための余分な時間と労力を費やすことになりかねません。
 つまり常に現在の理事長名義にしていれば、本人確認が必要になった際の時間と労力を大幅に省くことができるといえます。
 以上、マンション管理適正化法の趣旨から、又本人確認法の適用の際の実務上の労力面から、名義変更の重要性を述べてみましたが、そもそも預金口座の名義人は、実際は金融機関の取り扱い規定からも、その口座に預けられている全額を任意に引き出すことができるわけですから、万一の事故を想定した場合も、管理者たる現在の理事長名義にすることが、管理組合としての責任の所在をはっきりさせるという意味からも必要でしょう。

編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所本田兆司弁護士

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