法律トラブル相談集

修繕工事

マンションの建替え手続きについて
 マンションの給排水管が老朽化により、水漏れ等の不具合が続いていたため、修繕積立金を取り崩して、共用の給排水管を更新する工事を実施することになりました。工事実施に向けた説明会において、「専有部分である室内床下配管も老朽化しており一緒に更新できないか」との意見が多くあり、理事会で協議した結果、区分所有者が各々で施工するよりもコストメリットも見込まれることから、専有部分の配管更新工事も併せて実施することにしました。なお、既にこれら配管を自己負担で更新されている住戸については、復旧工事代金の減額を行う予定です。ただ、本来は共用部分の修繕等に充当するべき修繕積立金を専有部分の修繕に充当することについて、反対意見もあります。管理組合としてこのようなことを推進しても良いのでしょうか。なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

answer

 マンション標準管理規約(単棟型)では、第28条(修繕積立金)に「管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる」と規定されています。
1、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
2、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
3、敷地及び共用部分等の変更
4、建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
5、その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
 一方、第21条(敷地及び共用部分等の管理)第2項には以下のような条文とコメントがあります。
「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる」
第21条コメント
・第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。
・配管の清掃等に要する費用については、第27条(管理費)第3号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。
 第28条に規定のとおり、本来、修繕積立金は敷地及び共用部分等の特別の管理に要する場合に限って使用することが原則です。しかし、専有部分である設備であっても、配管・配線等、共用部分である本管・本線と構造上一体となった部分の管理については、管理組合の行う共用部分の管理と一体として行うことがコストメリットも含め効率的であることが見込まれるため、第21条第2項で管理組合がこれを行うことができることとしているのです。
 これらの条文により、今回の専有部分の配管更新工事を、管理組合として総会の承認を以って実施することに問題はないでしょう。ただし、ご案内の通り、既に設備更新を自己負担で実施している住戸に対する配慮が必要であることはいうまでもありません。

編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所本田兆司弁護士

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